東京都立川市の「東立川自衛隊 夏まつり」の見学に行ってきました。(2024年7月)
「東立川自衛隊 夏まつり」は立川市の陸上自衛隊「東立川駐屯地」で年1回行われる夏のお祭りです。
立川市には立川駅から比較的近いところに陸上自衛隊の駐屯地が2つあります。
ひとつは「陸上自衛隊立川駐屯地」でこちらは立川市の緑町にあります。
もうひとつが今回訪問した「陸上自衛隊東立川駐屯地」で、こちらは立川市の栄町に所在します。
東立川駐屯地は緑町の立川駐屯地ほど広くはなく、ここには
陸上自衛隊の地理情報隊および三多摩地区隊、そして防衛装備庁の航空装備研究所が置かれています。
その東立川駐屯地で年一回行われる「東立川自衛隊 夏まつり」では
普段は立ち入ることが出来ない駐屯地の一部が無料で一般公開されます。
お祭りの開催時間は午後4時から8時30分までで、盆踊り、自衛隊の装備品展示、
多数の模擬売店による飲食物の販売など、様々なイベントが行われます。
なお駐屯地の入場時には手荷物検査を受ける必要があります。刀剣、火薬類などの持ち込みは禁止ですが、
通常の常識的な持ち物であれば入場に際し特に注意するべきことは無いと思います。
今年の「東立川自衛隊夏まつり」のポスターでは装備品の展示は無しとされていましたが、行ってみると幸いなことに展示が行われており、「偵察用オートバイ」を見ることができました。一般に有事の戦闘においては敵の状況を把握する必要がありますが、その為には先ずヘリコプターなどを使い上空から偵察を行います。その後、より詳細な情報を得ることを目的として「偵察用オートバイ」が活躍します。オートバイは小型である為、敵から発見しづらく偵察行動に適しているのです。この「偵察用オートバイ」はカワサキ製の市販オフロードバイク「KLX250」をベースにして作られています。市販のKLX250に偵察用装備の追加や改造を施し、偵察用のオートバイに仕立ててあります。
市販のKLX250と偵察用オートバイの具体的な相違点には以下のようなものがあります。
【 塗装 】
外見上の大きな違いとして偵察用オートバイの車体は敵に目立たないようオリーブドラブで塗装されています。また車体のみならずスイングアームやフロントフォーク、ホイールのスポークなど、市販のKLX250では無塗装で銀色の金属部分もオリーブドラブや黒で塗装し、徹底して目立たないよう工夫されています。
【 フレームガード 】
車両の破損防止や隊員の保護の為、エンジンの前面やヘッドライト、車体後部などに鋼材製のフレームガードを設置しています。
【 管制灯火 】
偵察用オートバイは市販車には無い「管制灯火」を備えています。
夜間偵察時、ヘッドライトやウインカーなどの通常の灯火を使うと容易に敵に見つかってしまいます。それを防ぐ為、夜間偵察時においては必要最低限の明かりのみを出すこの「管制灯火」を使用します。具体的には車体前部に管制灯火ヘッドランプ、車体後部には管制灯火のテールランプとブレーキランプが設置されています。
またこの「管制灯火」と通常の灯火を切り替える灯火管制用スイッチを車体後部右側に装備しています。
自衛隊員のサポートの下、「東立川自衛隊 夏まつり」に集まった多くの子供たちが、この偵察用オートバイの上にまたがり、楽しそうに写真を撮っている光景がとても印象的でした。
【 主要諸元(偵察用オートバイ)】
| 全長 | 約2.1m |
| 全幅 | 約0.9m |
| 全高 | 約1.2m |
| 重量 | 約154kg |
| 最高速度 | 約135㎞/h |
| エンジン形式 | 4ストローク 水冷 DOHC 単気筒 |
| 燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
| 最高出力 | 24PS |
| 最大トルク | 2.1kgf・m |
| 駆動方式 | チェーン |
| 変速機形式 | リターン式6段 |
| 乗員 | 1名 |
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昨年展示されていた軽装甲機動車が今年(2024年)も展示されていました。
軽装甲機動車は、自衛隊員を安全かつ迅速に移動させることを目的とした装甲車両です。
開発・製造は小松製作所が行い、2002年から陸上自衛隊各地の部隊へ配備されています。
陸上自衛隊公式の愛称は「ライトアーマー」で、部隊内部ではLAV(ラヴ)とも呼ばれています。
(LAVは「 Light Armored Vehicle 」の略となっています。)
この軽装甲機動車には固定武装はありませんが、機関銃を設置できる銃座と防弾盾が車上に備わっています。
また離島などの遠方地域への空輸を前提として開発されているため、
陸上自衛隊の大型輸送ヘリCH-47Jや航空自衛隊の輸送機C-130Hに搭載できる
サイズ・重量に抑えられています。
空輸の際には輸送機内部への搭載だけではなく、着陸困難な地域の場合は、
パラシュートの付いた専用ユニットでの空中投下や、大型輸送ヘリCH-47Jで吊り下げての輸送も行えます。
(なお、空中投下の場合は、専用ユニットの地上着地後、地上に待機していた隊員が
専用ユニットを開梱し、ユニット内の車両に乗り込んで移動を行います。)
軽装甲機動車は、自衛隊の海外活動でも高い頻度で活用されていて、
自衛隊イラク派遣、ハイチPKO、南スーダンPKO、ソマリア沖海賊の対策部隊派遣などの任務に参加しています。
ちなみに海外派遣の際、軽装甲機動車にエアコンが備わっていたため、その快適性が外国の隊員に
とても好評だったそうです。
また軽装甲機動車は装甲車としては比較的コストが低いため、陸上自衛隊のみならず、
航空自衛隊にも基地警備用として陸上自衛隊とは異なる塗装で配備されています。
昨年同様、今年(2024年)の展示でも「東立川自衛隊 夏まつり」に集まった子供たちが、軽装甲機動車の上に
自衛隊員に持ち上げられて、楽しそうに写真を撮っていました。
【 主要諸元(軽装甲機動車)】
| 全長 | 4.40m |
| 全幅 | 2.04m |
| 全高 | 1.85m |
| 全備重量 | 約4.5t |
| 最高速度 | 100km/h |
| 航続距離 | 約500km |
| 乗員 | 4名 |
| エンジン形式 | いすゞ 水冷直列4気筒ディーゼルエンジン |
| 排気量 | 4800cc |
| 最高出力 | 160PS |
| 駆動方式 | 4WD(四輪駆動) |
| 車体防護 | 圧延鋼板、防弾ガラス |
| 武装 | 固定武装なし(5.56mm機関銃「MINIMI」搭載可) |
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東立川自衛隊の夏祭りでは今年(2024年)もいろいろな催し物も行われていました。
夏祭り会場エリアにある体育館横の「子ども広場」では
輪投げ、スーパーボールすくい、フリスビーゴルフ、子ども用の自衛隊服の試着、などが
行われていて、子どもたちが楽しそうに遊んでいました。
イベント会場の中央に組まれたやぐら周辺では
東京音頭、炭坑節、立川音頭などが流れ、盆踊りが行われます。模擬売店も多く出店しており、焼きそば、かき氷、ポテト、串焼き、チョコバナナ、等々様々な美味しいものを楽しむことができます。
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陸上自衛隊「東立川駐屯地」の最寄り駅は
JR中央線・南武線・青梅線の「立川駅」または
多摩モノレールの「立川北駅」です。
そこから徒歩の場合は同駐屯地まで約20~25分の所要時間になります。
バスの場合は「立川駅北口ターミナル12番乗場」で
「北町行」に乗車し「自衛隊正門前」で下車します。
駅からタクシーを使う場合は、少し注意が必要で、
冒頭でも述べましたが、立川市には立川駅から近い箇所に
陸上自衛隊の「立川駐屯地」(緑町)と「東立川駐屯地」(栄町)があります。
それを明確に区別するため、行先は「栄町(さかえちょう)の自衛隊」あるいは
「立川競輪場側の自衛隊」と伝えるようにしたほうが良いと思います。
「東立川自衛隊 夏まつり」では通常立ち入ることができない駐屯地の様子も分かり、様々な展示や催し物、 そして模擬売店での飲食を楽しむことができます。開催場所の東立川駐屯地も 最寄りの立川駅から比較的近い場所にありますので機会があれば一度訪れてみてはいかがでしょうか。