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東京都福生市の「横田基地 日米友好祭」に行ってきました。(2024年)

横田基地 日米友好祭」は米軍横田基地の一部を一般に開放して日米の交流、友好を深めるイベントで、年に1回、連続2日間にわたって開催されています。入場は無料で、今年(2024年)は5月18日、19日の2日間に友好祭が開催されました。今年の友好祭2日間に米軍横田基地を訪れた人の数は約30万人にもなり、日本国内の米軍基地友好祭の中でも「横田基地 日米友好祭」はまさに最大規模のイベントとなっています。

友好祭では基地内に米軍や自衛隊の航空機の展示が行われているほか、アメリカンフードやグッズの売店、音楽やダンスのライブステージなどもあり、様々な楽しみ方ができるお祭りとなっています。 普段はとても立ち入ることができない米軍基地内の様子をご覧になり、アメリカ気分を満喫してみるのも又よろしいのではないでしょうか。




航空機展示

日米友好祭の大きな見どころのひとつが、やはり各種航空機の展示です。
今年も横田基地内で米軍や自衛隊の航空機の展示が行われ、様々な航空機を間近で見ることができました。

なお今年(2024年)の日米友好祭の展示機は下記の通りでした。


米軍機 C-130J、UH-1N、C-12J、CV-22、
F-22、F-16、C-17、C-5M、EA-18G、KC-135、
自衛隊機 F-15J、F-2、T-4、C-2、C-130H、U-680A、
AH-1S、UH-1J
民間機 Honda Jet、C-172、C-510、C-172、DA-40
 


今年(2024年)の日米友好祭の目玉のひとつが「世界最強戦闘機F-22の展示といえます。日米友好祭で展示されるのは12年ぶりのことであり、このF-22はなかなかお目にかかれない戦闘機です。

なお12年前の日米友好祭でのF-22の様子はこちらをご覧ください。(別ウィンドウで開きます。)


【参考】

2012年9月の日米友好祭で展示されていた米空軍の「F-22」戦闘機です。
12年前の展示では警備が厳しく、自動小銃を持った米兵がF-22の周りを監視していました。

(2012年、米軍横田基地にて撮影)


F-22は米ロッキード・マーティン社とボーイング社がF-15戦闘機の後継として共同開発したステルス戦闘機であり、ジェット戦闘機の世代区分では最新の「第5世代」に分類されます。愛称はワシやタカなどの猛禽(もうきん)類を意味する「ラプター」となっています。2005年から運用が開始されて以来F-22は現在でも「世界最強の戦闘機」とされています。

F-22は敵のレーダーから捕捉されずらいステルス性をもち、短距離離着陸(STOL)も可能です。また、従来の戦闘機はアフターバーナー(ジェットエンジンの排気にもう一度燃料を吹きつけて燃焼させ、高推力を得る装置)を使って音速を超えるのですが、F-22はアフターバーナーを使わなくても超音速巡行(マッハ1.5)が可能となっています。大きな熱源となるアフターバーナーを使わないため、赤外線探知装置を使った熱によるミサイルロックオンもされずらく、また燃料の消費も抑えることができます。(アフターバーナーはエンジンの推力を急激に向上させることが出来ますが、燃料の消費量も非常に大きくなるデメリットがあります。)なおF-22にもアフターバーナーは装備されていて、これを使えばマッハ2を超える最高速度で飛行することも可能になっています。


F-22は「世界最強戦闘機」とされているのですが、F-22登場以前までは最強の戦闘機とされた同じ米軍のF-15と比べてみると最高速度はF-15の方が上回っていることが分かります。F-22の最高速度マッハ2超に対してF-15の最高速度はマッハ2.5であり数値上、明らかにF-15の方がF-22より優れています。これはどういうことかと言うと、確かに最高速度は戦闘機にとって大事なものに違いはないのですが、第5世代戦闘機の時代に入った現在、最高速度は第4世代(~2000年ぐらい)までほどは重視されていません。F-15の最高速度マッハ2.5はアフターバーナーを使用しての短時間での最高速度です。短時間しか使えない最高速度よりも作戦行動上、現在ではアフターバーナーを使用しない長時間の超音速巡行が求められるようになっています。また戦闘機同士の戦い方も変化していて、第1、2世代(~1960年ぐらいまで)の戦闘機の時代では、近距離(目視範囲内)で戦闘を行うため、最高速度はとても大事でした。しかし第3、4世代(1960~2000年ぐらい)になると長距離レーダーや長射程の空対空ミサイルの登場により戦闘機同士の戦い方は遠距離(目視範囲外)が主体となり、最高速度の重要度は以前よりは低くなってきました。こういった理由で最高速度自体はF-15に劣っていても、やはりF-22は「世界最強の戦闘機」という評価が一般的になっています。


【参考】

2015年9月の日米友好祭で展示されていた米空軍の「F-15」戦闘機です。
F-22登場以前は最強の戦闘機と目されていました。

(2015年、米軍横田基地にて撮影)


F-22は前述の通り、大変優れた性能をもつ強力な戦闘機であります。その一方で運用開始から今年(2024年)で約20年が経過しており、アメリカではすでに後継機となる第6世代戦闘機の開発が始まっているのだそうです。そのためF-22は「世界最強戦闘機」でありながら、2030年代から徐々に退役していくものと見られています。


【 主要諸元 】 (F-22)


全  幅13.56m
全  長18.90m
全  高5.08m
エンジンP&W社製 F119-PW-100 ターボファンエンジン × 2
最大速度マッハ2超
武  装20㎜機関砲(M61A2)、空対空ミサイル(中距離、短距離)、他
乗  員1名


EA-18Gは、米軍の電子戦機です。EA-6「プラウラー」の後継機として戦闘/攻撃機 F/A-18Fをベースに開発されました。愛称はグラウラーです。電子戦機は敵のレーダーシステムや通信の妨害、敵防空システムの制圧などを行います。


【参考】

2015年の日米友好祭で展示されていた米軍の電子戦機「EA-6 プラウラー」。
EA-18Gの前任機として長期間にわたり米軍で使用されました。2019年3月までをもってすべてのEA-6が退役し、現在は使われていません。

(2015年、米軍横田基地にて撮影)


EA-18Gは戦闘/攻撃機F/A-18Fをベースとしていますが、電子戦機への改造のため、ハードポイントの数が変更となりました。ハードポイントというのは軍用機の胴体や主翼の下面に設けられた、兵装類を機外に懸吊(けんちょう )するための取付部です。F/A-18Fではハードポイントが11か所ありましたが、F/A-18Fの両翼端にあったミサイルランチャーが電波探知装置の受信アンテナポッドに変更されたためEA-18Gハードポイントは9か所(=11-2)となりました。

ハードポイント9か所の配置は、主翼下が4か所(よって両翼下で8か所)胴体下に1か所となります。
ハードポイントはステーションナンバーで区別され主翼下がステーションナンバー1~4、6~9、胴体下がステーションナンバー5となっています。

EA-18Gハードポイントに懸吊する基本的な兵装は下表のようになります。

懸吊場所 ステーションナンバー 懸吊兵装
主翼下 2、8 電波妨害装置(高周波数帯用)ポッド
主翼下 4、6 空対空ミサイル(AIM-120) (自衛用)
胴体下 電波妨害装置(低周波数帯用)ポッド

残りのステーションにはミッションに応じた装備品(ミサイル、増槽燃料タンクなど)が懸吊され、うち2か所は対レーダーミサイル(AGM-88)の搭載ステーションとされています。


【参考】

今回の日米友好祭で展示されていた「EA-18G」の兵装懸吊状況。
主翼下に電波妨害装置(高バンド)と増槽タンク、胴体下に電波妨害装置(低バンド)を懸吊していました。


EA-18Gは電子戦機として大別して①電子妨害、②SEADの2つの機能を有しています。


電子妨害は妨害電波を出して敵のレーダー等の機能を無力化することです。
SEAD(Suppression of Enemy Air Defence)は敵のレーダーなどの通信施設を攻撃し、敵防空システムの機能を不全化します。

EA-18Gはまず電波探知装置(AN/ALQ-218)を使って、敵の電波を両翼端の受信アンテナから受信します。これにより敵電波発信源を特定。妨害・制圧対象の敵施設を発見します。

次に、発見した妨害・制圧対象に対して電子妨害を行う場合は翼下および胴体下に懸吊した電波妨害装置(AN/ALQ-99)で妨害電波を出し、敵のレーダーや通信等を妨害、これらを攪乱します。
ちなみにEA-18Gの電波妨害装置(翼下、胴体下)のポッド先端にはラムエア・タービンが設置されていて飛行時に発生する風力でこれを回し電波妨害装置で使用する電力を得ています。

また発見した敵のレーダーサイトや通信施設等を攻撃(SEAD)する場合は、対レーダーミサイルを使い、これをもって敵防空システムを制圧します。


【参考】

今回の日米友好祭で展示されていた「EA-18G」が懸吊する電波妨害装置のズームアップ写真です。同装置の先端に電力供給用のラムエア・タービン(RAT)が設置されています。


最後にEA-18GとベースとなったF/A-18Fの見分け方についても記述しておきます。
機体は基本的には同じなので分かりづらいところもありますがF/A-18Fで機首に装備していたバルカン砲(M61A1 20mm)がEA-18Gでは廃止されています。従いましてF/A-18Fの機首にあったバルカン砲の発射口とガス抜き孔がEA-18Gでは塞がれていて存在しません。またEA-18Gでは翼端が受信アンテナポッドになっているのも区別の材料になります。


【参考】

今回の日米友好祭で展示されていた「EA-18G」の機首部分の写真です。
ベースのF/A-18と異なり、バルカン砲の発射口とガス抜き孔が塞がれていて、機首部分が滑らかに成形されています。


【 主要諸元 】 (EA-18G)


全  幅13.62m(主翼端ポッドを含む)/9.94m(主翼折り畳み時)
全  長18.38m
全  高4.88m
主翼面積46.45㎡
エンジンゼネラル・エレクトリック製 F414-GE-400 × 2基
最大速度マッハ1.8
武  装AIM-120(空対空ミサイル)、AGM-88(対レーダーミサイル)
乗  員2名 ⇒ パイロット1名 + 電子戦妨害担当士官(ECMO)1名


U-680Aは航空自衛隊の「飛行点検隊」が使う「飛行点検機」です。

飛行点検隊は入間基地(埼玉県)所属の部隊で、自衛隊の航空機が安全に航行するために必要な「航空保安無線施設」の各種点検を任務としています。この「航空保安無線施設」は航空機を安全に誘導するために様々な電波を出しています。夜間や悪天候時でも航空機が安全に飛べるのはまさにこの「航空保安無線施設」のおかげなのです。よって「航空保安無線施設」の点検は必然的にとても大切な作業となります。

飛行点検隊は飛行点検機を使い航空保安無線施設の出す様々な電波が正しく適切であるかを点検します。具体的には点検の対象となる航空保安無線施設の上空を飛行し、誘導電波その他の各種点検を行います。
点検の対象となる施設は航空自衛隊基地の航空保安無線施設だけにとどまらず、陸上自衛隊、海上自衛隊の施設も含まれ、その数は42基地163施設にも及び、年間の飛行点検回数は約300回にも達します。

飛行点検隊は現在、U-680AとU-125の2種類の飛行点検機を所有していますが、今回の友好祭では最新型であるU-680Aが展示されていました。この飛行点検隊で長らく使用されていた飛行点検機「YS―11FC」(1971~2021年)の後継機で、2020年から入間基地に導入された最新型の飛行点検機となります。

前任の飛行点検機「YS―11FC」のベースとなった「YS―11」は戦後初の国産旅客機で短距離での離着陸性能に優れていました。点検対象基地の滑走路には長さが短いものもあり、短距離離着陸が可能な「YS―11FC」はその長所から航空自衛隊の飛行点検機として長年使われてきました。しかし現在では機体の老朽化や、飛行速度の低さが目立つようになり、この新型のU-680Aが後継機として使われるようになったというわけです。(「YS―11FC」は2021年を最後に退役しています。)


【参考】

2019年の日米友好祭で展示されていた航空自衛隊の飛行点検機「YS-11FC」。U-680Aの前任機です。優れた短距離離着陸性能を活かし、50年の長きに渡り、飛行点検機として活躍しました。

(2019年、米軍横田基地にて撮影)


U-680AはYS―11FC同様、短距離離着陸が可能ですが、YS―11FCよりも更に速度、航続距離が向上しています。そのため入間基地のある埼玉県からかなり遠方の飛行場まで移動するような点検任務もより短時間でこなすことが出来るようになりました。飛行点検隊は入間基地から小笠原諸島の硫黄島や日本最東端の南鳥島まで飛ぶこともあり、速度と航続距離の向上は点検任務の効率化に大きく寄与しています。

なお飛行点検機U-680Aのベースは米テキストロン・アビエーション社のサイテーション・ラティチュード「モデル680A」という中型ビジネスジェット機です。この「モデル680A」に飛行点検装置の搭載、その他の改造を行い、飛行点検機U-680Aとしています。


【 主要諸元 】 (U-680A)


全  幅約22.0m
全  長約19.0m
全  高約6.4m
エンジンPW306D1 ターボファンエンジン ×2
最大速度マッハ約0.8
航続距離約5,000km
乗  員8名



C-130J C-130J
C-130J C-12J
UH-1N UH-1N
UH-1N EA-18G
F-22 F-22
F-22 F-22
F-22 F-22
C-17 C-17
C-17 C-17
KC-135 KC-135
KC-135 KC-135
F-16 CV-22
CV-22 CV-22

C-130H C-130H
U-680A U-680A
U-680A F-15
F-15 UH-1J
AH-1S F-2
T-4 C-2
C-2 C-2

C-510 C-510
C-510 HondaJet
HondaJet C-172
C-172 DA-40




飲食・グッズ販売

日米友好祭が行われている米軍横田基地の中に入るとそこはまるでアメリカのような雰囲気に包まれた空間となります。 但し、あくまでアメリカのような感じであって、残念ながら基地内は日本です。米軍基地内はアメリカ領で住所はカリフォルニア州という話もあるようですが、これは誤りで米軍基地の統治権はアメリカにあるものの、横田基地の住所は日本の東京都福生市であります。(横田基地はとても広いので、細かく言うと立川市、昭島市、福生市、武蔵村山市、羽村市、瑞穂町の5市1町にまたがっていますが、友好祭で一般公開されているエリアは福生市です。)

基地内にはたくさんの売店が並び、ビーフステーキ、ハンバーガー、ホットドッグといった日本とはまた違う、本格的なビッグサイズのアメリカンフーズを楽しむことができます。また、やきそばなど日本的な食事を提供するお店の出店もあり、日米の様々な美食を味わえるのも日米友好祭の大きな魅力と言えるでしょう。

食事以外にも航空グッズや米軍オリジナルグッズの売店なども軒を連ねますが、日米の友好祭だけのことはあり、店によっては代金の支払いは「円」だけでなく「ドル」でも可能となっております。滑走路の屋外ステージや、格納庫を使った屋内ステージでも音楽演奏、ダンスパフォーマンスなど、いろいろな日米のライブが行われており、日米友好祭が行われている横田基地は大変にぎやかで様々な楽しみ方が出来るお祭りとなっています。






アクセス


友好祭当日は横田基地の「第5ゲート」から入場します。 「第5ゲート」の最寄り駅はJR青梅線の牛浜駅(徒歩約10分)、拝島駅(徒歩約20分)、福生駅(徒歩約25分)などがあります。 「第5ゲート」に最も近いのは牛浜駅ですが、牛浜駅は大変混雑するため、他の駅の利用が推奨されています。

「第5ゲート」に到着してからは手荷物の検査が行われますので基地内に入るまでには時間が結構かかります。 危険物の持ち込みなどはもちろん禁止ですが、意外に持って行ってしまいそうなのが「ガラス瓶」「アルコール飲料」です。(これは入場時のアナウンスで聞きました。)幸い自分は持っていなかったのですが、持ち込み不可のものは用意された所有権廃棄ボックスに入れるか、基地の外で適切に廃棄してくださいとのでした。
(持ち込み不可の物の詳細についてはホームページなどで事前に確認しておくと良いでしょう。)

なお、近年は横田基地の入場にあたり、身分証明証の確認が厳しくなっていて、日本国籍の16歳以上の方は運転免許証、パスポート、写真付きマイナンバーカードなどの提示も入場時に求められます。従いまして横田基地の日米友好祭にお出掛けになる前には忘れずに身分証明証を必ず携帯するようご注意ください。
(詳細についてはこれもまた、ホームページなどで事前に確認すると良いと思います。)









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